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読みやすいコピーを書こう

意味のわかりにくいコピーは、ユーザーの目にとまりません。やさしく簡潔な、読みやすいコピーを書きましょう。

やさしく伝わる言葉で書こう

ユーザーは、最初にページタイトル見出し要約文などのコピーから内容を想像し、本文を読むか読まないかを判断します。このとき、意味がわかりにくい、読みづらいコピーでは、判断の対象にさえしてもらえません。コピーはできるだけ簡単に意味が伝わる、読みやすい状態にしておく必要があります。

コピーを読みやすくするための1番大きなポイントは、やさしく伝わる言葉を選んで書くことです。たとえば、新聞の社会面で、コラムの見出しが次のようなものだったと想像してみてください。

  1. 高度情報化社会の不安要素
  2. マルチメディア社会で不安なこと

1番目の例は、漢字が多い上、言葉も難しいため、読みづらく意味が伝わりにくくなっています。年代によっては「高度情報化社会」の意味がわからないかもしれません。より一般に浸透している「マルチメディア社会」という言葉を使った2番目の例の方が、多くの人にとって読みやすく、意味の伝わりやすいコピーだと言えるでしょう。この例のように、コピーは、ターゲットとするユーザーから幼稚に思われない程度に、やさしく伝わる言葉を選んで書くようにしましょう。特に注意すべき点は次のとおりです。

専門用語は確実に通用するものだけと心がける
専門用語は、それが理解できる相手以外には全く意味不明の言葉です。たとえば、「視覚度の高いデザイン」と言っても、印刷・デザインに詳しいユーザーにしか「グラフィカルでビジュアル性の高いデザイン」という意味はわかりません。だれでも、自分の分野に関しては専門用語であることを忘れがちですので、できるだけ一般的な言葉で言い換えるように気を付けましょう。あらかじめ、使用する言葉のグロッサリー(用語集)を作っておくのも有効な手段です。
漢字ばかりにしない
漢字を使うと短い字数で多くの意味を盛り込めるため、つい、漢字ばかりのコピーにしてしまいがちです。しかし、それでは日ごろ使っている言葉とかけ離れてしまい、意味がすんなり頭に入らなくなります。たとえば、「健康用品専門通販店」なら「健康グッズ専門の通販店」というように、部分的に仮名言葉に変えたり、助詞を入れるなどして、できるだけ漢字の比率を減らすようにしましょう。
カタカナ用語は最小限にする
カタカナ用語の多くは外国語が元になっているため、使いすぎると意味を読みとるのが難しくなります。たとえば、「マイカーでウィークエンドをエンジョイしよう」なら、「マイカーで週末を楽しもう」というように、できるだけカタカナ言葉を減らすようにしましょう。

コピーは短めに書こう

コピーを読みやすくするもう1つの大きなポイントは、できるだけ少ない字数で書くということです。たとえば、新聞の一面で、トップの見出しが次のようなものだったと想像してみてください。

  1. サッカーワールドカップで、日本代表チーム優勝を果たす
  2. サッカーW杯で、日本優勝

どちらも同じ意味を持つコピーですが、ユーザーの目をひくのは「サッカーW杯で、日本優勝」の方だと思います。人は一度に多くのことを把握できません。字数をおさえておくことで、すんなり頭に入りやすくなるのです。

また、コピーは一般的に本文よりも文字サイズの大きな部分です。あまりに字数が多いとわずらわしさを感じさせ、本文にもマイナスイメージを与えてしまいます。

もちろん、意味を削ってしまったり漢字ばかりにして難しくしてはいけませんが、コピーはできるだけ短かく簡潔に書きましょう。私がコピーを付けるときには、次のような長さの上限を設けています。

ページタイトルは、12字程度におさえる
ページタイトルは、検索エンジンによる結果一覧で表示されるほか、リンク先名称やブックマークの名称として使われます。ここで意味がうまく伝わらないと、ページに訪問さえしてもらえません。少しでも簡潔に意味を伝えることが求められます。おおむね12字ですと、ひと目で全体がわかる上、「どのような・何が・どうした」ぐらいの簡潔なコピーになります。
中見出し〜小見出しは1文まで、24字程度におさえる
ユーザーは、はじめにページ内を流し読みして、欲しい情報が含まれていると感じたときに本文を読みます。この流し読みのときに、主に見るのが中見出し〜小見出しなどの見出しです。これらをできるだけわかりやすくしておくことで、文章の概要がうまく伝わるようになります。1文までにしておけばメッセージが単純になり、24字程度なら一息で読めるため、わかりやすくなります。なお、大見出しについては、ページタイトルを見て訪問したユーザーに違和感を感じさせないため、ページタイトルと一致させるのが一般的です。
要約文は、3文程度におさえる
要約文は、ユーザーに対して、本文の概要を簡潔に伝えるために置くものです。あまりに長い文章にしてしまうと「簡潔に伝える」という本来の目的にそぐわないものになります。3文もあれば「前提・本論・結論」という話の要点を十分に伝えられますので、この程度におさえておきましょう。

意味を削らず字数を減らすには?

コピーのような少ない字数の文では、思ったことをなかなか伝えにくいものです。しかし、意味を削って短くしてしまっては、元も子もありません。

内容を伴ったまま、意味を削らずに字数を減らすには、次のような方法があります。試しに、「サッカーワールドカップで、日本代表チーム優勝を果たす」という文を縮めてみましょう。

自明の理を削る
自明の理とは、相手が「当然のこと」として理解しているもののことです。この例では、サッカーのワールドカップである以上、出場するのは「代表チーム」だという自明の理があります。「日本代表チーム」という言葉は「日本」と省略してもおかしくはないでしょう。
短い言葉に置き換える
日本語には、類義語・同義語略語がたくさんありますので、言葉によっては意味を変えず、より短いものに置き換えることができます。この例では、「ワールドカップ」は「W杯」という略語に置き換えられます。
文脈上省略できる言葉を削る
文章には、文脈上、無くても意味の通じる言葉が混ざっている場合があります。この例で言えば「を果たす」は必要な言葉でしょうか? 無くても意味が通じるので消してしまいましょう。

以上の結果、意味を削らずに「サッカーW杯で、日本優勝」まで縮めることができました。

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